府中市内にあるパブリックアートをご紹介している「府中散策」。
今回は第16回、府中市美術館の正面玄関前に設置されている、若林奮(わかばやし いさむ)さんの作品「地下のデイジー」をご紹介します。
この作品、まず名前がとても印象的です。
「地下のデイジー」と聞くと、地面の下に花が咲いているような姿を想像してしまいますが、実際に作品を見てみると、一般的な彫刻とは少し違った不思議な作品です。
地上に見えている部分は、約1.2メートル四方で、高さはわずか7.5センチほど。
そのため、何も知らずに通りかかると、これが大きな彫刻作品だとは気付かない方もいるかもしれません。
しかし、この作品の面白いところはここからです。
実は「地下のデイジー」は、地面の下へ約3メートルも続いています。
地下部分は約60センチ四方、高さ約3メートル。
つまり、私たちが実際に見ることのできる部分よりも、地面の下に隠れている部分のほうがはるかに大きい作品なのです。
これを知ってからもう一度作品を見ると、不思議と見え方が変わってきます。
目の前にある作品を見るというよりも、
「この地面の下に、まだ作品が続いているんだな」
と、見えない部分まで想像しながら楽しむ作品なのかもしれません。
普通、彫刻というと形や大きさ、素材などを目で見て楽しむものだと思っていました。
ところが「地下のデイジー」は、あえて作品の大部分を地面の下に隠しています。
見えているものだけを見るのではなく、見えない部分を想像する。
そんなところが、この作品の一番面白いところではないでしょうか。
作者の若林奮さんは、1936年生まれの現代彫刻家で、鉄をはじめとした素材を使いながら、人と自然、空間との関係を考えさせる作品を数多く制作した作家です。
「地下のデイジー」は2002年に制作されました。
府中市美術館の正面玄関前にありますので、美術館を訪れた方なら誰でも見ることができます。

府中市美術館へ行くと、どうしても館内の展示作品に目が向いてしまいますが、入館する前にぜひ玄関前にも注目してみてください。
そして、この作品を見るときには、
「この下に約3メートルの作品が隠れている」
ということを思い出してみてください。
何も知らずに見るときとは、少し違った印象を受けると思います。
府中市には、公園や街中、美術館の周辺など、いろいろな場所にパブリックアートがあります。
その中でも「地下のデイジー」は、実際に見えている部分だけではなく、見えない地下の世界まで想像して楽しめる、とても珍しい作品です。
府中市美術館を訪れた際には、ぜひ探してみてください。
府中散策や美術館を楽しんだあとは、府中駅方面まで少し足を延ばしてみるのもおすすめです。
ホテルコンチネンタル府中にはレストランもございますので、府中散策のお帰りにお食事やひと休みにお立ち寄りいただければと思います。
府中市パブリックアート巡りも、いよいよ次回は第17回。
最後の作品をご紹介します。
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今回は稲城市ですが、府中の魅力や観光スポットを、ホテルスタッフ目線でゆるやかにご紹介します。お出かけの参考になれば幸いです。